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ヒートショックから身を守る 〜原因と対策〜

2025/11/11

リフォーム

ヒートショックから身を守る 〜原因と対策〜

ヒートショックとは?

 

「ヒートショック」という言葉を耳にした事はありますか?

建築業界や暖房メーカー等で使用されている言葉ですが、家の中の急激な温度変化により、血圧が大きく変動することで、失神や心筋梗塞、脳梗塞などを起こすことをいいます。

「ヒートショック」で亡くなる方は、なんと年間1万人以上もいます。これは、家庭内で高齢者が死亡する原因の4分の1を占め、少なくとも交通事故の2倍の死亡数となり、特に浴槽内溺死の8割以上は高齢者で、その最大の原因ともなっているのです。

 

入浴中の心肺機能停止者数

 

 

ヒートショックの要因

 

 

「ヒートショック」の要因となるのは、住宅内の急激な温度変化です。それを「暖差リスク」といいます。

特に日本人は、「首」までたっぷりと熱いお湯につかる習慣があるため、急激な血圧の上昇による入浴中の急死者数は諸外国に比べ高いとされています。「ヒートショック」を未然に防ぐには、この「暖差リスク」を住宅内で少しでも小さくする事が重要だという事ですね。

 

 

暖差リスクを少なくする方法

 

それでは、「暖差リスク」を少なくするには、どのような方法があるのでしょう。

 

 

 

入浴時にできること

 

  • 入浴前に浴槽のふたを開けたり、浴室の床や壁に温かいシャワーをまくなどして浴室を暖めておく。
  • いきなり肩まで湯船に沈めずに、足からゆっくりと入り、徐々に肩まで沈めていく。
  • 湯船から出る際は、急に立ち上がらずにゆっくりと立ち上がり、湯船から出る。
  • お風呂のお湯の温度は、熱いと心臓に負担がかかるので、設定温度は38℃〜40℃程度のぬるめにする。
  • 入浴による発汗で体内の水分が減り、血液がドロドロになることで脳梗塞や心筋梗塞にならないように、入浴の前後にはコップ1杯程度の水分を補給する。

 

 

その他器具・設備設置でできること

 

暖房機

もっともお手軽な方法は、洗面脱衣室やトイレに暖房器具を置くなどして、部屋間の温度差を小さくすることです。また、トイレ自体に温風機能が備わっているものもあります。

 

トイレ温風

 

 

パネルヒーター

風を起こさず燃焼もしないので、空気を汚さず嫌な臭いもしません。

小さなスペースでもしっかり暖房してくれるタイプもあり、トイレ設置にも適してます。

タオル掛けタイプは、洗面脱衣室などに設置すれば、タオルを掛けておくだけで乾燥もするので一石二鳥です。

 

パネルヒーター

 

 

浴室換気乾燥暖房機

浴室換気乾燥暖房機は、15分もあれば浴室内の温度を25℃まで上昇できます(状況により変動)。

雨天・梅雨時は洗濯物の乾燥も可能で、花粉対策にもなる優れもの。

リフォームに最適な後付けタイプもありますので、設置できないと諦めていた方も是非ご検討してみて下さい。

 

 

床暖房

床暖房は、床から天井まで均一に暖まり、室温は18℃〜20℃程度の設定でも十分に暖かく感じる事ができる身体に優しい暖房です。

リフォームに最適な今ある床の上から設置するタイプもあります。

施工場所は、リビングから、キッチンや浴室、トイレなど様々な場所に設置が可能。

仕上材も、床暖房対応品であれば、フローリングからタイル、カーペット、畳などご要望に合わせて選択が可能です。

 

 

全館空調システム

お住まいのどこに行っても温度変化のない「温度のバリアフリー空間」が実現し、身体にとても優しいです。

冬場トイレに行くとき、来客で玄関に行くとき、ぶるぶるっと寒さで震える事がなくなります。

ただし、お住まい全体を同じ環境にするには、天井などにダクト配管をする必要があり、全面的な改装が必要なケースが多くなります。全面的な改装をご検討の方には是非オススメです。

 

 

 

まとめ

 

さて、「ヒートショック」対策としては、影響を最も受けやすい浴室・脱衣室空間の環境作りが大切なこと、そして、「暖差リスク」を無くすために簡単な器具設置から大規模な改修まで様々な選択がある事が分かりましたね。

本格的な寒さを迎える前に、お住まいの状況に応じた方法を是非取り入れてみてください。

特に高齢者がいらっしゃるお住まいは、入浴中お互いに「湯加減どう〜?」「そろそろ出たら〜?」など、定期的な声掛けをすることを是非今日から習慣にしてみましょう。